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梔子ゆきがヴァンパイア・クロニクルズの話をするために作ったブログ。偏見の混じった感想など。
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梔子ゆき
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腐女子歴がそろそろ人生の半分を越えた。
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※本編の補足及び概要

このお話は、『悪魔メムノック』の続巻になります。悪魔メムノックの終盤で、アルマンは自ら太陽の下へ投身して自殺。その後、紆余曲折を経てレスタトは長い眠りにつきました。

しかし、冒頭からアルマンのモノローグで始まるこの「美青年アルマンの遍歴」で、アルマンは実は生き残っていることがわかります。生き返ったアルマンは、レスタトが眠る大聖堂をさまよい歩くうちに、レスタトの体を守るため大聖堂に住み着いていたデイヴィッドと出会いました。互いに言葉を交わしていく中で、アルマンはデイヴィッドに「君の人生の物語を話してほしい」と請われ、最終的にはその願いに応えることを決意。

今ここに、永遠の美少年アルマンの500年に及ぶ長い生涯の秘密が解き明かされる―――。

 

 

物語冒頭、レスタトが眠る大聖堂。そこはかつて人間たちの集う聖域でしたが、現在は建物自体がレスタトの所有物となっていて人間は一切足を踏み入れない場所となっています。
その大聖堂の屋根裏部屋から、昔そこで死んだらしい少女の衣服が発見されました。

焼身自殺未遂から復活したものの今だ精神的に不安定なアルマンは、遠い昔に死んだという少女の存在に惹きつけられ、それが本当なら彼女の幽霊が見たいと思い、ひとり屋根裏へ登っていく…。

その途中で、アルマンは二人の人物に遭遇します。
一人は、アルマンの師であり「親」でもあるマリウス。もう一人は、レスタトの身を守るために大聖堂に住み着いていたデイヴィッド。

第1部1は、アルマンとこれらの人物とのやり取りが中心となって展開していきます。

アルマンは、悪魔メムノック編で自殺未遂を冒す前に、ベンジーとシーベルという人間の友人たちを自分の師マリウスに預けて(託して?)いました。
「親愛なるベンジーとシーベルは今頃どうしているだろう。マリウスはどこにいるのだろう」と考えながらアルマンが階段を登っていると、「わたしならここにいる」という声とともにマリウスが目の前に現れます。

アルマンとマリウスはテレパシーが使えないはずなので、いくらマリウスといえどもアルマンの心の声が聞こえたはずはないのですが、まるで見聞きしていたかのようなタイミングでとても怖い。怪紳士マリウス。

この場面でのアルマンとマリウスのやり取りというのは、何と言ったらいいのか…とても、微妙なんだなぁと思いました。この二人の間にあった過去はこの先で語られることなので、冒頭場面だけ読んでどうこう解釈するのは難しいんですが…。

マリウスは復活したアルマンを見て、
「何という奇跡だろう。わが子よ。あのように太陽のもとに出ていきながら、こうして生還するとは」
という内容の発言をするのですが、その時のアルマンの心理描写の中に、
『わが子!こんな風に僕を呼ぶのは、創造主であるマリウスをおいてほかにいない。彼にとって僕の生きた
500年は何なのだろう』
という記述があります。
これは、マリウスは
500年経っても何も変わらないような素振りでアルマンに接しているが、その500年の間にアルマンの精神やマリウスへの想いは大きく変わってしまっている、という意味なのかもしれません。

また、マリウスはアルマンがまだ精神的に不安定であることを見抜いているので、彼の身を心配して自分の家に来るようにと誘いましたが、アルマンはそれを断ります。(この時、マリウスが『ベンジーとシーベルに会いに来ると良い』みたいなことを言うのは誘い文句というか、若干エサにしてる感すら漂うほどですが、それでもアルマンは首を縦に振りませんでした)

アルマンは言い募ります。

「わが師よ、あなたを愛しています。でも今はひとりでいたい」


「もうあなたは僕などいらないのでしょう? どうしてそうでないはずがあるでしょう。あなたはこれまでだって本当に僕を求めていたことなどなかった」


それに対し、マリウスは「わたしはお前を求めているよ。だが、待つことはできる」と答えますが、アルマンは特に心動かされはしなかったようです。


アルマンとマリウスがかつて恋人だったことは周知の事実ですが、この時点においてマリウスはもはやアルマンの心を癒せる存在ではなくなっていた、という象徴的な1シーンでした。

 

続いて、マリウスと別れたアルマンの前にデイヴィッドが登場します。というか、大聖堂の屋根裏に住んでいたデイヴィッドの生活区に、アルマンはそれと知らずに入り込んでしまいます。

マリウスのせいで普段より不機嫌なアルマン。自分が不法侵入者なのに喧嘩腰。

たぶん、マリウスの「何でもわかってる」的な雰囲気がやや勘に触っていたのでしょう。
アルマンはデイヴィッドに、「自分の心を読もうとするな」と強く主張しますが、デイヴィッドがあえて彼の心中を覗こうとはしないことがわかると、徐々に警戒が解けていきました。
そして二人はそのまま一緒に件の屋根裏部屋へ。

そこで少女の衣服を前にして、「ここで子どもが死んだなんて嘘だ」云々かんぬん何たらかんたら・・・という話に花が咲くんですが、そんなことより、この二人の怒涛のホモエロ臭が大問題です。

アルマンはデイヴィッドに

(君の)カラメル色の肌、猫のようにしなやかな身のこなしと黄金のまなざしは、かつて僕が快く味わったものを思い出させる。その香りは僕の脳を侵し、いまだかつてないほどの、それが枯渇してしまうまで身をゆだねてしまいたくなるようなエロチックな渇望に僕を投げ込む。君の肌はきっとカシューナッツか濃いアーモンドクリームの匂いがするに違いない。(概意)

とか言うし、
デイヴィッドはデイヴィッドでアルマンの頭部を掌で包んで

「君の髪は、まるで琥珀から紡ぎだされたようだ。君は少年のように愛らしく、少女のように美しい。
(中略・美辞麗句を語り尽くす)君はなんと冷ややかな少年なのだろう。私の愛は君の心に触れることもできないらしいね」

とか囁き出すし、アルマンは

「どうして僕に触れる? どうしてそんなに優しく愛撫する?」

とか囁き返すしああだめだいちいち書き上げてたら一生終わらない!


てな感じにですね、

「この会話、必要かな?」

っていうくらい、異常にラブラブなデイヴィッドとアルマンがいるわけです。
え、何これ。私にデヴィアル書けって言ってんの? おいレスタト、ひとつ屋根の下で愛人が浮気してんぞ!

 

正直なところ、デイヴィッドとアルマンが何故こんなに唐突に愛し合ったのかはよくわからないんですが、とにかく二人はその後打ち解けて一緒に狩りに行ったりなどし、アルマンはデイヴィッドに自分の過去の打ち明け話をすることになるのです。
ぶっちゃけ、この辺の展開については、物語の展開上の都合もあったかな~という気が、個人的にはしなくもないですが、マリウスとの関係の微妙さを引き立たせる意味では悪くない演出かもしれません。
傷ついたアルマンは、マリウスを拒絶しましたがデイヴィッドには傍にいることを許した、というのが重要な点なのでしょう。

 

……次回以降はもうちょっと短く、さくっとまとめないと続かないかもしれないこのブログ。

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