本日更新した「お前は死を望んでいるのか?」に関する記事についてですが、改めて読み返していたら、
「ちょっと論理が飛躍しすぎかも?」
「あまりにもレスタト×ルイフィルターがかかりすぎかも?」
と自分で思ったりしたので、それはそれとして、別の解釈も考えてみたくなりました。
レスタトの、
「でも、おまえならそのわけを知ってるだろう。おまえはそれを終わらせたいのか?」という台詞。
私は、クロウディアに向けたものと考えると違和感があったので、「ルイに向かって言っているのかな」と思ったのですが、もしこれが本当にクロウディアに向かって言ってる台詞だとすると、どういう意味になるでしょうか。
さしずめ、
「お前だって、不老不死の価値は理解しているだろう。お前はそれを捨てたいのか?」
といったところですかね。
で、直後振り返ってルイに「お前はどうなんだ? お前も死を望んでいるのか?」と尋ねる、と。
一応、これでも会話としては成立しています。本当に、彼らの台詞に言葉以上の含みがないパターンです。
ただし、クロウディアが「自分がどんな存在であるのかを自覚したいだけで、死を願っているわけではない」とハッキリ言っているのに、レスタトがしつこく「質問に答えろ! お前は死にたいのか!?」と詰め寄っている点にはやはり違和感が残りますが…。
あと、この流れでいくと、最後にレスタトがルイを怯えた目で見つめていた理由も想像がつかないですね。クロウディアとの喧嘩に、薄らと家庭の破綻を感じていたのかな…程度の可能性しか(←推しカップルの妄想から離れると途端に想像力が枯渇する;)
ところで、レスタトが「自分の存在理由なんてものに拘るんじゃない!」と2人を一括し続ける理由は、個人的には何となくわかる気がします。人間だって、誰しも存在理由なんてありはしないのに、それがある日ヴァンパイアになったからといってそこに御大層な意味なんか生まれるわけがないものな。
まあ、後天的に別の生き物に生まれ変わるという特異な体験を経たが為に、そこに特別な意味を求めたくなってしまったルイやクロウディアの気持ちもわかるっちゃわかるけど。
「私たちはどうして、どこから生まれたの?」
と尋ねられ続けたレスタト、超イライラしただろうな。
もしも私が、来る日も来る日も幼児に付き纏われて「ねぇねぇ、人間って何?」「どうして私は人間なの?」「お母さんのお母さんはどんな人?」「そのまたお母さんはどうだったの?」って訊かれ続けたら、たぶん発狂すると思う…。
「うるせぇ! 人間として生きることが素晴らしいと感じられるなら、何も考えずに生きろ! 嫌なら死ね!! 何なの? 死にたいの?」
としか言えない。
つくづく、第1巻におけるルイの偏見まみれの描写の中にあってすら、レスタトはいつも真実に一番近い男なのだな。
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